ハムスターのニキビダニ症

ハムスターのニキビダニは非常に特徴的な形をしたダニの一種です。ダニと言っても吸血するわけではなく、毛根周辺に潜み、ハムスターの皮脂を食べて生活しています。ニキビダニは元気なハムスターの身体にも元々寄生しているといわれていて、全身状態の悪化や皮膚の免疫力が低下したときに発症します。ハムスターのニキビダニは身体がやや細長いDemodex auratiと寸胴なDemodex cricetiの2種が主に知られています。

図2-1
ニキビダニの一種 Demodex aurati

 

 

症状

脱毛がみられ、かゆがることがあります。

診断

皮膚検査によってニキビダニを検出します。検出率が高くないために繰り返しの検査が有効です。

治療

駆虫薬を投与します。複数回の投与が必要なことが多いです。

図2-2
ニキビダニの一種 Demodex criceti

 

 

かゆみをアレルギーと間違えて薬をあげると悪化することがあるため注意が必要です。

 

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ハムスターのイエダニ症

小動物ではダニの寄生が多発しますが、ダニの種類によって対処法が異なることがあります。ハムスターのイエダニは早急に駆除が必要なダニです。

 

症状

非常に痒みが強く、ハムスターが気が狂ったように転げまわって痒がることがあります。また、吸血性のダニのため身体の小さいハムスターでは致命的な貧血が起こることがあります。

イエダニ➀
体表上のダニ 肉眼でも確認することができます。

 

 

検査・診断

皮膚検査によってダニを検出します。

イエダニ➁
吸血したイエダニ

 

 

治療

適切なダニ駆除剤を用いた治療を実施します。ハムスター専用の薬はないために非常に慎重な投薬が必要です。

 

予防

イエダニは他の動物にうつりやすいという特徴があります。ヒトも例外でなく、「家族が痒がっていたので調べてみたら動物にイエダニがいた」などの例も珍しくありません。また、環境適応力も強くカーペットや壁の隙間に潜んでいて吸血時に寄生するやっかいなダニです。そのためケージの消毒も必要不可欠です。

 

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デグーの糖尿病

ペットとして飼育頭数が増えてきているデグーですが、本来、野生のデグーはアンデス山地の過酷な環境で生活しています。自然下では草を主食とし、他にも木の葉、樹皮、種子を食べて生活している完全草食性の動物です。飼育に関する情報が少ないため、種子類、果物、野菜、小型動物用クッキーなどの糖分や炭水化物などを食事として与えられていることがあります。デグーの糖尿病はその結果引き起こされるといわれています。またデグーは糖の代謝能力が非常に低いこともいわれています。

症状

食べているのに痩せてくる、多飲多尿、体重減少、食欲低下、脱水、白内障などの症状がみられます。重症化してくると命に関わることもあります。

 

診断

血糖値と尿糖の検査が有用です。

 

治療

血糖値を下げるインスリン療法が一般的であり、さまざまな治療法が試みられていますが、確立された治療法はまだ見つかってないのが現状です。

 

予防

デグーは甘いもの、クッキーなどのおやつが大好きですが、与えすぎないように注意し、チモシーなどの草を中心とした食事管理が糖尿病の予防につながります。さらに、草を食べることで歯が摩耗され不正咬合の予防にもつながります。

デグー

 

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