フェレットの副腎疾患

副腎は身体の左右に1つずつあり、アドレナリンに代表されるいろいろなホルモンを分泌する器官です。フェレットではこの副腎が腫瘍化してしまうなどの副腎疾患があらゆる年齢(早いコでは2歳くらいから)でみられ、様々な症状を引き起こします。

症状

●尾~腰背部から脱毛がはじまり、その後全身に広がることもあります。
ferret02●雌では陰部や乳腺が腫れる。
●攻撃的になったり体臭がきつくなる。
●進行すると貧血排尿不全による尿毒症など生命を脅かす症状が発現します

検査・診断方法

副腎が腫大していないか 大きさを計測することができます
副腎が腫大していないか
大きさを計測することができます

触診や血液検査、レントゲン検査などを駆使し、総合的に診断します。特に超音波検査はフェレットに負担がなく確実性も高い検査法です。

治療

フェレットの副腎疾患の治療は大きく分けて「外科治療」と「内科治療」の2つの方法があります。

■外科治療

異常な副腎を摘出することにより根治が可能な方法です。特に腫大した副腎が癌だった場合は癌を体内から取り除けるので非常に効果的です。全身麻酔を施しての手術になるため併発疾患や高齢の個体では困難なことがあります。

■内科治療

副腎から過剰に分泌されるホルモンを抑制する薬剤を1~数か月ごとに接種します。約95%のコに改善の効果が現れ、一回の治療費用は外科手術と比較しておさえることができます。しかし、継続治療が必要であり再発率はやや高いといわれています。

副腎疾患の治療はフェレットの状態や年齢、病気の進行度等に合わせた治療法を選択しなくてはなりません。この疾患の治療は長期にわたってしまうことも多いため、当院では飼い主様のお気持ち・ご意向を尊重し、最適な治療法をご提示したいと考えております。どうぞ診察室でお気軽にご相談ください。

 

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メガバクテリア症(AGY症、マクロラブダス症)

鳥類の感染症の一種であり、その病原体は以前はMega(大きな)Bacteria(細菌)と呼ばれ、治療法が確立されてなく致死率の高い疾病でしたが、その正体は細菌ではなく真菌である特殊な酵母菌の感染によるものと報告されました。現在では治療法が確立しつつありますが、病気の発見の遅れと病態の進行の速さにより重篤になるケースも多く、恐ろしい疾病であることにはかわりがありません。 多くの鳥種に感染をすることが知られていますが重篤になりやすいのはセキセイインコ、オカメインコの幼鳥、マメルリハインコ、キンカチョウ、カナリアです。

症状

  • 削痩  「Going Light」(どんどん痩せていく)と呼ばれ筋肉が委縮してしまいます。
  • 食欲不振  嘔吐・下痢・黒色便などの消化器症状が見られます。重症例では吐血を起こすことがあります。
  • 膨羽、沈うつなど  元気がなく、動かなくなります。
  • 無症状のこともありますが免疫低下により急性発症し、生命にかかわることがあります。

※元気で食欲があったとしても必ず治療をしなければいけません

検査・診断

「メガバクテリア」の菌体(矢印)  大きさや厚さに様々なタイプが存在します
「メガバクテリア」の菌体(矢印)
大きさや厚さに様々なタイプが存在します

糞便検査によってメガバクテリアを検出します。検出率は100%ではないので繰り返し検査を受けるのが効果的です。

治療

メガバクテリアを排除するための投薬(※抗生物質は無効です)と消化器症状に対しての支持療法を徹底する必要があります。
幼鳥期のメガバクテリア症は早期発見によって多くが治癒しますが、大人になってから発症した場合、後遺症が残ってしまうこともあります。 早期発見・早期治療が非常に重要です!

 

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うさぎの避妊手術について

うさぎは子宮疾患の発生頻度がとても高い動物です。うさぎは小型の草食動物であり、肉食動物に捕食される立場にあるため、子孫を残す必要性から優れた繁殖力を備えています。女の子の繁殖は主に卵巣から分泌される雌性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)に司られています。ところが、妊娠する機会がほとんどない家庭のうさぎの場合はホルモンバランスが崩れ、発情状態が続きます。この不自然なホルモンバランスは子宮や乳腺にさまざまな悪影響を及ぼし、寿命を左右するばかりでなく(4歳以上の未避妊のウサギは80%以上が子宮がんに罹っていると報告されています)、雌ウサギはイライラした状態が続くので、ご家族とコミュニケーションをとる上での大きな障害となります。

避妊手術は雌雄が一緒に生活している場合の繁殖の制限を目的に行われる他、雌うさぎに多い子宮、卵巣、乳腺の病気を予防するためにも行われます。また、ホルモンストレスが少なくなるために攻撃性がなくなり、とても穏やかになることがあります。

手術は全身麻酔下で、卵巣と子宮を摘出します。避妊手術をするとエネルギー要求量が減るため、術後の回復期が過ぎた頃から肥満防止のために食事量を減らす必要があります。個体差があるので一概には言えませんが、手術前の8割程度の量に押さえ、適切な体重を保つようにしましょう。

当院では術後の早期回復を考慮し、うさぎにストレスを与えないために以下の医療処置は基本的に行っておりません。

●術後の入院(日帰りです)

●抜糸(生体内で徐々に吸収される糸で結び目が埋没される縫合法を用います)

●投薬(滅菌下での手術になりますので抗生物質は不要です)

●手術創の消毒

●エリザベスカラー(傷をかじらないように首につけるわっか)の装着

麻酔から覚めたら、ごく普通の生活が可能です。

避妊手術は電話での御予約も受け付けておりますが、それぞれの子に適した手術スケジュールをご提案させていただきたいと考えております。事前に獣医師(執刀医)と診察室での相談を推奨いたします。

 

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